いつか どこかで

ほんの少しの 気休めになれたら。

こえ

二人で


揺られながら帰った


夕暮れ


私が前で


あなたがうしろ


自転車が作る風が


心地よかった


何を話していたか


何で笑っていたか


もう


覚えてはいないけれど


一緒に歌った


あの詩 だけは


今も 時々


口遊む


家々の壁に映える


赤く 滲む


夕陽の中で



あなたの こえ だけ


うしろから


聴こえないね