いつか どこかで

ほんの少しの 気休めになれたら。

こえ

二人で


揺られながら帰った


夕暮れ


私が前で


あなたがうしろ


自転車が作る風が


心地よかった


何を話していたか


何で笑っていたか


もう


覚えてはいないけれど


一緒に歌った


あの詩 だけは


今も 時々


口遊む


家々の壁に映える


赤く 滲む


夕陽の中で



あなたの こえ だけ


うしろから


聴こえないね

ちょこれーと

泣きながら


泣きじゃくりながら


ただ


ひたすらに


貪った


どこかで 読んだの


悲しい時は


1枚 そのまま


がむしゃらに


貪るんだ って


そうすると


ほんのちょっこっと


元気に なるから


甘くて


苦くて


ほんのり 塩味



元気がない時


試してみてね

にちじょう

そのまんま は


続かなくて


このまま と


願うことは


容易くは 叶わなくて


あっけなく

カンタンに


いつも から


いつも は


奪われていく


手を のばしたって


声を 飛ばしたって


名前を 叫び続けても


あの日 あった


いつも と


今 ある


これから は


決して


同じ 日 には


ならない と



知って


知って


知って




だから


だから こそ



いま を