いつか どこかで

ほんの少しの 気休めになれたら。

れーす

薄い膜の向こう


風を 含んで


ふわ り


みえる

みえない


向こう側は



霞む膜の先へ


はためく 流れ


ゆら り


みえる

みえない


手を伸ばすだけで



あなたからは


分かるのかしら


ここに 隔たれている のは


ただの




月の光


ゆれて


隠れた

しゃくやく

白い 白い


大輪に咲いた

あの 花弁 を


ずっと ずっと


揺れる 揺れる


咲き誇る

あの 花弁 を


ずっと ずっと



蕾のままで

ひらくことなく

終わってしまう 子 も

いるというけど



白い 白い


肉厚な ふっくらとした


揺れる 揺れる


匂い立つ 儚げに

咲き誇る


あの 花弁 を


ずっと ずっと



食んでみたい と


思っていたんだ よ



もう

手折れてしまった


あの


白い 白い



かつての 花 は

あおぞら

そこにあった 色は


どこまでも

いつまでも


変わらないもので


切り取られても

放たれていても


変わりないもので


自分だけが

気持ちだけが


くすんでいくのだけ

分かった



ただ ただ


伸びやかに いけたら


いきていけたら



今日の この色を


羨まずに すんだだろうか